工場の流量が安定しないときの原因と対策

目次

自社工場で流量のばらつきや供給ムラに悩んでいる担当者の方はいませんか。その原因のひとつとしては、流量を制御するバルブの影響が考えられます。

この記事では、粉体ライン・液体ラインそれぞれで流量が安定しないときに起こりやすい原因と、その対策方法について詳しく解説します。

工場の流量が安定しないときの
原因

工場ラインで流量が不安定になる背景には、ポンプや配管といった機器の性能だけでなく、扱う物質の性状やライン環境が深く関わっています。粉体では湿気や静電気による詰まり、液体では気泡や圧力変動など、物質特性によって発生するトラブルの傾向が異なるものです。

こうした流量の乱れは、品質のばらつきや歩留まり低下を引き起こすだけでなく、設備の停止やメンテナンス工数の増加にもつながります。安定した生産を維持するには、「どのような流体で・どのような条件下で不安定が起きているのか」を切り分けて原因を特定することが重要です。ここでは、粉体ラインと液体ラインそれぞれで発生しやすい代表的な要因を整理します。

粉体ラインにおける流量が
安定しない主な原因

粉体ラインで流量が安定しない主な原因は、スクリューフィーダーやホッパー内部で発生する粉体の「詰まり」です。スクリューフィーダー内では、粉が湿気や静電気の影響で凝集し、ブリッジ状に固まる「ブリッジ現象」により供給が途切れ、流量にムラが生じます。

また、ホッパーにおいても出口部で粉がアーチ状に詰まる「ブリッジ現象」や、側面に粉が付着して中心のみが排出される「ラットホール現象」が起こりやすく、安定した排出を阻害します。これらの詰まりは、ライン全体の流量制御の精度低下や設備停止につながり、結果として品質や稼働率にも影響を及ぼします。

液体ラインにおける流量が
安定しない主な原因

「エア噛み」と「キャビテーション」が挙げられます。エア噛みは、配管内に空気が混入してポンプが気泡を吸い込み、吐出量が不安定になる現象です。流量のムラが生じるほか、ラインの一時停止や再起動が必要になる場合もあります。

キャビテーションは、配管末端やバルブの絞り部で圧力が飽和蒸気圧以下になることで気泡が発生し、それが崩壊するときの衝撃で振動や騒音を伴う現象です。この状態が続くとポンプ内部が損傷し、性能の低下や寿命短縮を招くため、早期の原因特定が欠かせません。

流量の不安定を防ぐための
ライン別改善アプローチ

流量の不安定を改善するには、まず原因を正確に把握し、それぞれのライン特性に合わせた対策を講じることが重要。粉体ラインでは「詰まり」や「付着」といった物理的な要因が多く、構造や供給方法の見直しが効果的です。

一方、液体ラインでは「エア噛み」や「キャビテーション」など流体挙動に起因するトラブルが中心となるため、配管設計や圧力条件の最適化が必要です。

ここでは、粉体ライン・液体ラインそれぞれで流量を安定させるための代表的な対策を紹介します。

粉体ラインにおける流量が
安定しないときの対策

粉体特性に合ったスクリューフィーダーの形状を選定するようにしましょう。たとえば、流動性が低い粉体では芯なしタイプや二軸スクリューを採用することで、詰まりや供給ムラを抑えることが可能です。

さらに、ホッパーには撹拌羽根(アジテータ)やエアノッカー、バイブレーターなどの流動促進装置を設置し、ブリッジやラットホールの発生を防止します。また、定期清掃や供給量の見直しによって粉の蓄積を防ぐことも有効です。こうした対策を組み合わせることで、安定した排出と一定の流量制御を実現できます。

液体ラインにおける流量が
安定しないときの対策

液体ラインで流量を安定させるには、まず「エア噛み」への対策が不可欠です。吸込み側の配管は勾配を確保し、バルブや継手部の仕様を見直すほか、自動エア抜き弁やフートバルブを設置して気泡の混入を防ぎます。

一方で、「キャビテーション」対策には、ポンプをできるだけ低い位置に配置し、吸込み配管の圧力損失を減らすことが効果的です。配管径の最適化や曲がり・長さの調整に加え、液温を下げて飽和蒸気圧を抑えることで、キャビテーションの発生を防ぎ、ポンプの性能低下を防止できます。

流量トラブルを根本から防ぐ、
バルブ選定という発想転換

流量の安定化を図るうえで、見落とされがちなのがフローコントロールバルブの影響です。このバルブは、工場ラインでの流体の流れを精密に制御する中心的な役割を担っていますが、流体の粘度や圧力条件、温度などに合わない仕様を使用すると、意図した制御ができず流量が不安定になることがあります。

つまり、バルブの選定は「制御装置の選び方」ではなく、「ライン全体の安定性を左右する設計要素」のひとつです。

本サイトでは、制御対象となる物質や工程条件に合わせて適切なフローコントロールバルブを紹介しています。安定した生産ラインの実現に向け、自社の条件に合ったバルブ選定の参考としてご覧ください。