食品工場でおすすめのフローコントロールバルブ一覧

目次

食品工場では、飲料や乳製品、調味液などの液体から、小麦粉・砂糖・粉末調味料・健康食品原料などの粉体まで、さまざまな原料を扱います。そのため、使用するフローコントロールバルブには、安定した流量制御だけでなく、衛生性・洗浄性・異物混入対策など、食品製造ならではの性能が求められます。

また、食品の種類や工程によって必要な性能は異なります。液体ラインではCIP・SIPへの対応や液だまりの少ないサニタリー構造、粉体ラインでは粉噛み・残粉を抑えながら短時間で分解洗浄できる構造などを確認することが重要です。

このページでは、液体食品・飲料・無菌工程・粉体原料などの用途別に、食品工場で確認したいフローコントロールバルブと選定ポイントを紹介します。

食品工場向けフローコントロールバルブを比較

食品工場向けのフローコントロールバルブは、単に「食品用途に使えるか」だけではなく、扱う原料の状態と製造工程に適した構造かを確認する必要があります。

メーカー 製品 主な用途 特徴
CKD SWD-T 液体食品・高機能食品 サニタリー仕様、CIP・SIP対応、比例制御
Alfa Laval Unique RV-ST 飲料・乳製品・液体食品 衛生設計、連続的な流量・圧力制御
GEA VARIVENT® Control Valve 飲料・液体食品 CIP・SIP、デッドスペースを抑えた衛生設計
GEMÜ 567 BioStar control 無菌・高衛生工程 食品接触対応、3-A・FDA、CIP・SIP対応
プランナー OFV150-03 健康食品・食品粉体 粉噛み防止、工具レス分解、食品衛生法関連資料に対応

例えば、飲料や液体食品の調合・充填工程では流量の再現性とサニタリー性、無菌性が求められる工程ではCIP・SIPや食品接触材への適合、粉体食品では粉噛み・残粉・分解洗浄性が重要になります。

食品工場に適した液体向けのフローコントロールバルブ一覧

飲料や乳製品、調味液などを扱う液体ラインでは、流量を安定させる性能に加えて、製品が接触する部分を衛生的に保つ必要があります。

特にCIPやSIPを導入しているラインでは、液だまりやデッドスペースが少なく、洗浄液や蒸気が行き渡りやすい構造であるかを確認することが重要です。また、調合・充填工程を自動化する場合は、アナログ信号やポジショナーによる自動流量制御への対応も確認しましょう。


【選定条件】

※2026年10月1日時点で各メーカーの公式情報を確認し、以下の条件に該当する製品を掲載しています。

  • 食品・飲料・高機能食品などの製造工程への使用がメーカー公式情報で確認できること
  • 食品工場で求められる洗浄性・衛生性を考慮した構造を備えていること
  • 流量または圧力を調整・制御する機能を備えていること
  • CIP・SIP、自動制御、食品接触規格など、食品製造工程に適した特徴を確認できること

SWD-T(提供企業:CKD)

CKDのSWD-Tは、洗浄性・液置換性を高めたサニタリー仕様の流量コントロールバルブです。メーカー公式HPでは、バイオ・高機能食品製造工程で求められる高い制御性を実現する製品として紹介されています。

液だまりを抑えたシール構造を採用し、CIP・SIPにも対応可能。アナログ入力による比例制御に加え、最大6パターンの設定を登録できるプリセット機能を備えているため、これまで手動で行っていた流量調整の自動化にも活用できます。

SWD-Tの仕様

接続口径 ISOフェルール継手 8A、10A、15A、1S、1.5S
制御方式 アナログ入力による流量比例制御に対応
プリセット 最大6パターン
洗浄・滅菌 CIP・SIP対応可能

Unique RV-ST(提供企業:Alfa Laval)

Unique RV-ST
引用元:Alfa Laval公式HP
https://www.alfalaval.com/products/fluid-handling/valves/Regulating-valves/unique-rv-st/

Unique RV-STは、Alfa Lavalが乳製品・食品・醸造などの業界向けに展開している衛生型フローコントロールバルブです。低流量から大流量まで、液体の流量と圧力を連続的に制御できます。

デジタル電空式プロセスコントローラーを備え、4~20mAのアナログ通信にも対応。飲料や液体食品の調合・計量・充填など、一定の流量を保ちながら製造工程を自動化したいラインで検討できます。

Unique RV-STの仕様

Kv値 1~250m³/h
制御対象 流量・圧力
制御信号 4~20mA
保護等級 IP65・IP67

VARIVENT® Control Valve(提供企業:GEA)

VARIVENT® Control Valveは、食品・飲料分野など高い衛生性が求められる工程を想定したコントロールバルブです。GEAでは、食品製造において残留物を残しにくく効率的に洗浄できる、デッドスペースの少ない構造が必要であるとしており、VARIVENT®シリーズはCIP・SIPによる配管洗浄に対応しています。

流量制御のほか、圧力調整や液体の混合にも使用でき、熱交換器の温度制御、タンク圧力制御、各種媒体の注入などさまざまな工程に対応可能です。

VARIVENT® Control Valveの仕様

主な用途 流量制御・圧力調整・液体混合
制御特性 リニア・等比率
洗浄・滅菌 CIP・SIP対応
主なタイプ タイプS・タイプP

567 BioStar control(提供企業:GEMÜ)

GEMÜ 567 BioStar controlは、無菌工程向けに設計されたダイヤフラムグローブ型コントロールバルブです。食品・飲料分野における液体やガスの定量供給用途にも対応し、精密な流量制御が求められる工程で使用できます。

標準でFDAに適合し、食品接触用途についてRegulation(EC)No.1935/2004に対応。3-Aにも適合しているほか、CIP・SIPに対応可能なため、一般的な食品ラインよりも衛生性・無菌性を高いレベルで求める工程で検討しやすい製品です。

567 BioStar controlの仕様

流量範囲 80L/h~63,000L/h(仕様による)
流体温度 -10~160℃
使用圧力 0~10bar
呼び径 DN8~DN65
本体材質 1.4435(316L)ほか
主な適合規格 3-A、FDA、Regulation(EC)No.1935/2004ほか

食品工場に適した粉体向けのフローコントロールバルブ一覧

小麦粉や砂糖、粉末調味料、健康食品原料などを扱う粉体ラインでは、液体とは異なり、粉噛み・ブリッジ・残粉への対策が重要になります。

特に品種切り替えが多い食品工場では、バルブ内部に粉が残るとクロスコンタミネーションや清掃時間の増加につながります。そのため、粉体が堆積しにくい流路構造だけでなく、短時間で分解・洗浄・再組立できるメンテナンス性も確認しましょう。


【選定条件】

※2026年10月1日時点で各メーカーの公式情報を確認し、以下の条件に該当する製品を掲載しています。

  • 食品・健康食品などの粉体原料を扱う用途がメーカー公式情報で確認できること
  • 粉噛みや詰まりを抑える粉体向けの構造を備えていること
  • 分解・洗浄・再組立を行いやすい構造であること
  • 食品接触部材について、食品衛生法等の確認に必要な資料を用意できること

フローコントロールバルブ OFV150-03(提供企業:プランナー)

プランナーのOFV150-03は、医薬品・健康食品などの粉体制御向けに開発されたフローコントロールバルブです。バルブ操作時の粉噛みを抑える構造を採用し、ナイロンシュートの締め付け量を段階的に調整することで粉体の排出量をコントロールします。

主要構成部品は8点とシンプルで、工具を使用せずに分解・組立でき、メーカー公式HPでは分解・組立を約5分で行えるとしています。頻繁な洗浄や品種切り替えが必要な食品粉体ラインでも、メンテナンス負荷を抑えやすい構造です。

また、ナイロン材・高密度ポリエチレン材の溶出試験報告書や食品衛生法ポジティブリスト適合書類など、安全性確認に必要な資料の提供にも対応しています。

フローコントロールバルブ OFV150-03の仕様

ヘルール規格<ISO規格> ISO 4.0S~ISO 8.5S
ヘルール規格<ガス管規格> 90A 高圧タイプ~200A高圧タイプ
主要構成部品 8点
分解・組立 工具不要、約5分
通常材質 SUS304(材質変更にも対応)
参照元:プランナー公式HP (https://www.planner-web.jp/product/906/)

食品工場で使われるフローコントロールバルブとは?

食品工場で使われるフローコントロールバルブとは、飲料・乳製品・調味液などの液体や、粉末原料などの流量を調整し、製品品質の安定と衛生的な製造環境を維持するための機器です。

食品製造では、単に設定した流量を維持できればよいわけではありません。食品や原料が直接触れる設備では、製造終了後に確実に洗浄できることや、前の製品が残留しにくいこと、摩耗粉などの異物を発生させにくいことも重要です。

そのため、食品工場向けのバルブを選ぶ際は、「流量制御性能」と「衛生・洗浄性能」をセットで確認する必要があります。

食品工場の液体ラインで重視されるバルブ性能

飲料、乳製品、調味液などの液体ラインでは、安定した流量制御に加え、製品が接触する流路を清潔に維持できる構造が求められます。

液だまりやデッドスペースを抑えたサニタリー構造

バルブ内部に液体が滞留すると、洗浄後にも原料が残り、次に製造する食品への混入や微生物増殖につながる可能性があります。

そのため、食品ラインでは、流路に液だまりが発生しにくく、洗浄液がバルブ内部まで行き渡りやすい構造を選ぶことが重要です。特に衛生性を重視するラインでは、サニタリー仕様のダイヤフラムバルブやコントロールバルブが選択肢になります。

CIP・SIPへの対応

CIP(定置洗浄)は、配管や設備を分解せずに洗浄液を循環させて内部を洗浄する方法です。また、より高い衛生性が求められる工程では、蒸気などを使って設備を滅菌するSIPが行われることもあります。

CIP・SIPを採用するラインでは、バルブ自体が対象の洗浄・滅菌条件に対応できるかに加え、洗浄液や蒸気が接液部全体に届く構造かを確認しましょう。

調合・充填工程での流量再現性

原料の配合量や充填量が変化すると、味・濃度・粘度など製品品質のばらつきにつながることがあります。そのため、一定量を繰り返し供給する工程では、必要な流量域で安定して制御できるかを確認することが重要です。

多品種を製造する場合は、アナログ信号やプリセット機能、ポジショナーなどを利用してレシピごとの設定を再現できる製品も選択肢になります。

食品工場の粉体ラインで重視されるバルブ性能

粉体食品では、粒径や流動性、付着性などによって排出状態が変化します。特に細かい粉や付着性の高い原料では、バルブ内部への粉噛みやブリッジが起こりやすいため、液体用バルブとは異なる選定が必要です。

粉噛み・詰まりを抑える構造

金属製の弁体と弁座を閉じ合わせる構造では、その隙間に粉が入り込むことで正常に閉じられなくなったり、部品が摩耗したりする場合があります。

食品粉体を扱う場合は、粉の特性に合わせて、柔軟なスリーブなどで流路を絞りながら流量を調整できるチョーク式なども候補になります。粉体を過度に噛み込まずに開度を調整できる構造か確認しましょう。

分解・洗浄しやすく残粉を確認できること

小麦粉から別の原料へ切り替えるなど、多品種を同じ設備で製造する場合は、前製品の粉が残っていないことを確認する必要があります。

工具を使用せずに短時間で分解できることや、構成部品が少なく洗浄状態を確認しやすいことは、洗浄時間の短縮とクロスコンタミネーション対策の両面で重要なポイントです。

【工程別】食品工場ではどのフローコントロールバルブを選ぶ?

食品工場では、「食品用」という条件だけでは製品を絞り込めません。扱う食品と工程を整理したうえで、必要な衛生性や制御方法を決めましょう。

工程・用途 主な対象 確認したいポイント 製品例
飲料・液体食品の調合 液体 流量再現性・自動制御・衛生性 SWD-T、Unique RV-ST
乳製品・飲料ライン 液体 サニタリー性・安定した流量制御 Unique RV-ST、VARIVENT®
CIP・SIPを行うライン 液体 洗浄性・液だまり・デッドスペース SWD-T、VARIVENT®、GEMÜ 567
無菌・高衛生工程 液体 食品接触規格・無菌性・耐熱性 GEMÜ 567
健康食品・粉末食品 粉体 粉噛み・残粉・分解洗浄性 OFV150-03

食品工場におけるフローコントロールバルブ選定のポイント

食品工場向けのバルブを選定する際は、流量や圧力だけでなく、食品の性質、洗浄方法、製品切り替え頻度などを含めて判断する必要があります。

  1. 扱う原料が液体か粉体かを確認する:液体ではサニタリー性や液だまり対策、粉体では粉噛み・ブリッジ・残粉対策など、原料状態によって適した構造が異なります。
  2. 食品に接触する材質を確認する:ステンレスや樹脂、シール材など、接液・接粉部に使用されるすべての材質について、対象食品や洗浄薬剤との適合性を確認します。
  3. 洗浄方法を確認する:CIP・SIPを行う場合は対応温度や洗浄条件を確認し、手洗浄の場合は分解・再組立のしやすさを確認します。
  4. 必要な流量範囲と制御精度を明確にする:最大流量だけでなく、実際に使用する流量域で安定して調整できる製品を選びます。
  5. 手動式か自動制御式かを決める:設定変更が少ない工程では手動式、多品種製造やレシピ切り替えが多い工程では比例制御や遠隔制御に対応した製品も検討します。
  6. 品種切り替え時の残液・残粉を確認する:製造品目が頻繁に変わる設備では、内部に原料が残りにくく、洗浄後の確認がしやすい構造を選ぶことが重要です。

また、「食品用」「ステンレス製」という表示だけで使用可否を判断するのではなく、食品の種類・温度・圧力・洗浄薬剤・接触時間などの実際の使用条件をメーカーへ提示し、適合性を確認してから導入しましょう。

食品工場向けフローコントロールバルブに関するよくある質問

食品工場ではどのようなフローコントロールバルブが使われますか?

扱う食品によって異なります。飲料や液体食品では、洗浄しやすく液だまりを抑えたサニタリー仕様のコントロールバルブが候補になります。一方、小麦粉や粉末調味料などの粉体では、粉噛みや詰まりを抑えられるチョーク式などが選択肢になります。

サニタリーバルブとは何ですか?

食品・飲料・医薬品など、衛生管理が必要な設備での使用を考慮したバルブです。接液部の表面状態や材質、液だまりの少なさ、分解・洗浄性などに配慮した構造が採用されています。

ただし「サニタリー」という名称だけで判断せず、自社の洗浄方法や対象食品に対応しているか確認することが必要です。

CIP対応バルブを選ぶメリットは?

CIP対応設備では、配管やバルブを毎回分解せずに洗浄できるため、製造終了後の洗浄作業を効率化できます。また、人による分解・洗浄作業のばらつきを抑えやすくなります。

一方で、CIP対応とされている製品でも使用可能な洗浄液・温度・時間などには条件があります。実際のCIP条件に適合していることをメーカーへ確認してください。

粉体食品にはどのようなバルブが向いていますか?

粉体食品では、粉の粒径・流動性・付着性などを考慮し、粉噛みや閉塞を起こしにくい構造を選ぶ必要があります。

また、品種切り替えが多い設備では、残粉を確認しやすく、短時間で分解洗浄できるかも重要です。粉体用途では、柔軟なスリーブによって流路を絞るチョーク式なども候補になります。

食品用ならステンレス製のバルブを選べば問題ありませんか?

ステンレス製であることだけでは判断できません。食品に接触する部分には、本体だけでなくシール・ダイヤフラム・樹脂部品なども含まれます。

対象食品、温度、使用圧力、洗浄薬剤などによって材質への影響が異なるため、接液・接粉部すべての材質と食品接触に関する規格・証明資料を確認することが重要です。

食品工場におけるフローコントロールバルブのまとめ

食品工場で使用するフローコントロールバルブは、扱う食品や工程によって必要な性能が異なります。

飲料・乳製品などの液体ラインでは、流量制御性能に加えてサニタリー性やCIP・SIPへの対応を確認することが重要です。無菌性が求められる工程では、食品接触材や衛生規格、使用温度なども確認しましょう。

一方、小麦粉や健康食品原料などの粉体ラインでは、粉噛みや詰まりを防ぐだけでなく、残粉を減らして短時間で分解・洗浄できる構造が、安定生産と品種切り替えの効率化につながります。

まずは「食品用バルブ」という括りだけで探すのではなく、扱う食品・液体/粉体・製造工程・洗浄方法・必要な流量精度を整理したうえで、自社の製造条件に適した製品を選定しましょう。

当サイトでは、食品工場でも確認したいサニタリーバルブや、粉体制御に使用されるチョークバルブを種類別に紹介しています。用途に合わせてあわせてご確認ください。